7/28 | 好敵手 |
今日の集中講義はある意味面白かった。講義の内容自体は、スピングラスの実験の面白いデータの紹介、Edward-Anderson模型、フラストレーション、アニール系とクエンチ系など、まぁこの辺までは面白かったのだが…。レプリカ法以降、RCB(Replica Symmetry Breaking)などどうも怪しげな議論が続く。物理屋さんが数学に大らかであるとはいえ、ここまでひどい扱いをしているとどうも疑わしい。ひどい極限のとり方をして、かってに自然数とかって仮定を置いたり、ありえないようなサドルポイントメソッド使ったり、解けないものをどうにかして解くということで、あの手この手で問題を摩り替えているのはわかるんだけど…。よくあそこまで大雑把に扱っていて、これだけの結果が出るものだと逆に驚く。まぁ、厳密に解けないようなものをモデルで扱うとなると、必ず汚さというのはついてまわるのは仕方の無いことだが、う〜ん、どうも納得がいかんぞ。いっそ「全部間違ってる!」といってやりたいぐらいだ。ParisiのRCBとTAPモデルとの比較は、よくこんなので収まったなぁとは思うが、今日の福島先生の言葉を借りるなら"ウルトラC的な解釈"だと思う。汚いながらよく平均場でここまであがけたものだという努力は認めるし、節々のアイデアにはなかなか良いものを感じるが、うん、確信して言ってやる、「ぜってー間違ってる!」 今日の集中講義には、遠方からいらした方も少なからずいらした。名大の物性実験M2の徳田さん、東大金子研M2の中島さんがその二人だ。中島さんは、なんと!俺の高校時代に塾に通っていた友達と同級生。当時良きライバルでもあり、良き友達でもあった東海林の友達だった。彼とは音信不通になってしまっていたが、聞くところによると、北大の大学院で建築を頑張っているらしい。高校時代から「建築学科に行って、建築家になる」と言っていた彼は、無事有言実行しているようだ。しかも、それだけでなく建築関連の賞を受けたとかで、えらく羽振りがいいらしい。友人がめきめきと頭角を現し、活躍しているというのは、聞いてるこちらとしても気分がいい。俺もさっさと論文を書き上げるなりの成果を出せるように頑張らなくては!あくまで彼とはライバルであるから(?)、俺も負けてはいられない。中島さんとの会話も面白かった。いろいろなところに顔をだしているらしく、それは研究の説明慣れしているところからも見て取れた。お互い成果を出してない身とはいえ、研究のことなど物語っていてとても面白かった。同じ非線形非平衡系とはいえ、やっていることが少し違っていて、いい刺激になった。最近の動向なども探れたし、また夏の学校ででも話せるといいな。(もっとも相手が自分の研究に興味を示してくれていたかどうかは未知数だが) |
7/27 | モンテカルロ |
今日は、物性しゃべり場の宣伝活動をした。今まで物性実験とはメールでしかコンタクトをとっていなかったので、直接会っておこうとも思っていたし、長谷川研の面々や宇宙論関係の方々とも連絡をとっておきたかったというのもある。なんか宣伝活動を通じてとはいえ、少し茨大が広く見えてきた。今までは物性研にこもりっきりで、それでいいと思っていたところもあったが、新しい人と知り合うことで、少しずつ自分の活動範囲が広くなった気がする。専攻は違えど、お互い小さな研究者であり、人それぞれに研究に対する考え方がある。そういうことを話の節々から感じることが出来ると、ちょっとうれしくなる。やっぱ何事も行動だな。さて、話は物性しゃべり場に戻って、今後どうなっていくか。誰しもが思うであろう懸念として、内容がさっぱりわかんなくなっちゃうんじゃないかと言うことが有る。ここを発表者が考慮して、出来るだけ噛み砕いた形でやっていただければいいのであろうが、噛み切れない内容というのも少なからずあろう。そこを聞き手がしっかり質問なりなんなりで消化すると言うのが理想かな。質問を受けることによって、発表者にも新たな見方が加わる可能性も有るし、理解が深まることもある。そういう風にお互いが知識を共有しあえるような形が、どのようにすれば実現するか――ここをしっかり考えなければ。 さて、今日の食事会。わりと堅い話にならず(?)、普通に楽しめた。なんだか、話の内容が異次元に吹っ飛ばされて、たじろいでる自分を想像していたが、全然そんなことは無かった。逆に言えば、これでよかったのかという感じも残る。あまりにも平穏無事に済みすぎてる。こっちから(無謀にも)話を嗾けても良かったのかもしれないなぁ。ちょっと引っ込み思案しすぎたか?うーん、甘く見られたか?うーん、まぁそりゃそうだろうなぁ。明日の飲み会でちょっと交換法の話でも(無謀にも)ふってみるかな。 集中講義に備えてということもあり、伊庭さんの本を復習。モンテカルロ周辺をやって、パッと見は理解できなかったがしばらく考えていたら理解できた。なんてことはない。最終的にある分布に従うとように、最初の状態から少しずつざわざわっと状態を変化させていくだけの話だ。無論、そこまで簡単に話は進まず、その制約の上でいろいろな問題点が出てくる。それをいかに回避するかが焦点。確かにGibbsサンプラーの考え自体良い気がするが、アニーリング法や交換法(パラレルテンパリング法)ともなるとちょっと胡散臭い気がする。問題を解決していこうという基本的な発想それ自体は、なかなか良いとは思う。特に後者は、良くこんなこと思いついたなって思う。ただ、なんか本当にそれでいいのか?それで説明つくんですか?という気もする。実際に数値計算をしていないからそう思うのかも知れなけどね。ただ、仕事自体は大したものだって思うな。 |
7/26 | 採点,発表 |
昨日の風邪のせいか、今日はずいぶんと眠っていた。TAの仕事も無かったので、お昼過ぎに登校して、そのままテストの採点作業にうつる。で、終わったあとに、しゃべり場で最近の成果を発表。そして、東大駒場の福島先生のホームページを見る。なるほど、バリバリの物性屋さんというよりは、意外と数値計算を駆使する方向の方なのかもしれない。交換法なるものを考案した人らしいなぁ。モンテカルロやらGibbsサンプラーやらいつぞに伊庭さんの本で読んだようなことが書いてある。とはいえ、この本、実は読みきってないんだよな。前半の2,3章は読んだんだけど、後半は何やらイメージが沸きにくかったから投げた奴だ…。今なら読めるかもしれないし、福島先生の集中講義を受けるなら、このぐらいのことは知っておかないといけなそうだから、明日の午前中のうちに(?)読んでおこう。と言うのも、実は明日、福島先生と中川先生と長谷川先生と先日の集中講義でお世話になった渡辺先生と私とで食事に行かせて頂くことになったからだ(!)。う〜ん、若干緊張。今まで行ったことも無いような高級料亭に行くわけで、こりゃ、金銭的にも頭のレベル的にもついていけ無そうだ。 |
7/25 | 夏風邪? |
あー、風邪を引いた。かなりしんどい。鼻水は出るは、喉は痛いは。今日は、もうふらふらッす…。 |
7/24 | お話し |
引き続きSEを勉強。たいして進まなかった。 OKYMさんと自分の研究について話す。 自分の研究方針、今考えてるモデルなど、少し話しすぎたかもしれない。 こういうことって話していいものなのかなぁ。 まだ形として研究成果を出していない時点で、人に今自分の考えていることやらを話しちまって。まぁ、たいしたことではないと思うんだが。 なかなか難しい。 |
7/23 | OKYM氏 |
日記を4日同時更新。いかん、いかんよ今出君!ただ、日記自体は毎日書いているから、いいといえばいいんだよね。 ってなわけで、のんびりテニス。日差しは強いが、気候は涼しげで初秋のようだった。なんとも気持ち良い。日の光を浴び、風を感じ、思いっきりテニスをする。ちょっとテニスについては誇張してるかもしれないけど、屋外スポーツって良いね。つい調子にのってバンバン打っていたら、さすがに今日は疲れた。 軽い肉体疲労がなんとも言えず心地よい(?)。 昨日も引き合いに出したOKYMさんについて。実は俺がここの物性研に来たとき、先輩の方々から「前坂田研にいた人(OKYM氏)に似てる」と言われていた。そしてOKYMさんも寺本さんから「今出くんに似ている」と言われていたらしい。 実際に会ってみると、昨日も思ったことだが、似ている気がする。なんか自分でこんなことを言うのも至極変な気がするが、雰囲気が似てる。服装の基本的な型(ジーパン+シャツ+上着)や靴(サンダル),眼鏡(銀縁で角ばってる)とか良く見ると、似ているといわれるのもわかる気がする。まぁ、何よりもテンションの高さかも…。 OKYMさんを見て、俺をはたから見るとこんな感じに思われてるのかと思うと、なんかすっげー複雑な気分になる。OKYMさんは非常に良い方だとは思うんだが、なんか複雑なんだよなぁ(苦笑)。今度東京に戻ったときは、高塚研にお邪魔してみよう。 今日は、関本さんのSEをもとに手計算。何言ってるか訳わかんねぇところもあるが、なんとか式で追えるレベルかもしれない。もちろん、「なぜそんなことを考えるの?」とか「この計算自体無意味」とか「誤植だろ」とか問うてみたい箇所はあるんだけどね。でも、総じてこの本面白いよ。さっさと必要部分を読みきらなきゃ。 |
7/22 | PRC |
集中講義二日目。主に位相リセット曲線に関して。
位相リセット曲線を具体的に求められる系として、van der pole方程式を差しあいに出し、その位相リセット曲線から位相方程式をだす。
van der pole方程式だけでなく、極座標系やjosephson素子、Bz反応でも(?)位相リセット曲線が解析的に出せるとか。
詳細は、周辺論文や蔵本先生の書いた本(散逸構造とカオスかな)に載っているそうだが、解析的にせよ数値的にせよちょっとした応答を見るだけで、位相方程式が導出できるとは、面白い。
研究として手を出すつもりはないが、現象として非常に意義のあることを言っているような気がした。
改めて蔵本一派の貢献は大したものだと感じた。
集中講義の後半は、ふと自分の研究のことに思い当たることがあって脱線。
思いつくことの有ること無いことをレポート用紙に書き留める。
なんかふと自分の研究の方針が明確になった気がする。
簡単なモデルを一つ思いついたので、すぐにでも数値計算したかったが、集中講義をすぐに抜け出すわけにもいかず、かといって、脱線したから講義の内容もわからず。
結局、後半の30分ぐらいは自分の考えを煮詰めることに徹した。
この二日間の講義で、田中先生にはお世話になった。学生の対応もしっかり汲み取っておられたし、質問に対する対応も非常に紳士的で好感が持てた。
何より、位相方程式や位相リセット曲線の話など簡潔にまとめられていたので、大枠を理解することが出来てよかった。
回路の話など、しんどかったところもあったが、総じて非常に役立った。 講義後、早速モデルをシミュレーションし、しばらくしてまぁまぁそれらしい結果が出た。 物理的直感に合ういい結果だ。 統計平均を取って、しっかりした結果を出そうと思ったが、プログラミングに問題が…。 明日、それを補正できればいいなぁ。 まぁ、たいしたモデルでもたいした結果でもないかもしれないが、ちょっと詰めてみたい。 前坂田研で現東大ドクターのOKYMさんとちょっとしたお話することができた。 OKYMさんは、同業者と言うほど同業者ではないが、それなりに自分のやってる方面に興味があるらしい。 茨大の物性研の面々は、自分のやってることに興味を持ってる人が少ない。 そういった意味で、似たような分野に興味を持ってる人と話せるとなんか面白い。 もう少しこういった人が多いと張り合いも出てくるのだが…。 まぁ、仕方ないか。非線形非平衡自体マイナーな分野でもあるのだから。 それと、坂田研のD2の石川さんとも今日はお話した。 石川さんはシンプレクティックインテグレーターに興味があったらしく、俺の話を聞きつけて一緒にお話できた。 シンプレクティック解法、および、そのpoincare写像をとるプログラムを差し上げると非常に喜んでいただけたので、なんだかこっちまでうれしくなった。 自分のやってきたことが人の研究に役立つと言うのは、なんだかうれしい。 坂田研の方々は、俺のやってる方面に興味を持っている方はいるのだが、どうも量子色が強い気がする。 まぁ、原子核理論の研究室だからしょうがないともいえるのだが。 俺の扱ってるのは古典系なので、量子論に話が傾いてくると、興味がさほどないせいか、どうも理解が遠のく。 だから、量子論に話が伸びてくるたびに、なんだかなぁと思ってしまう。 ミクロスコピックな系を扱うのもいいんだけど、まずはマイクロスコピック,メゾスコピックな系を扱うのがいいと思うんだけどなぁ。 っていうか、Langevinでさえも結構ミクロな議論が出来ているのではないかとも思う。 坂田研自体、「化学反応を量子力学で」という意識が強いせいか、量子的な描像を頭に入れてる人が多い。 現段階で、そんなに化学反応を扱えるとも思いにくいのだが…。 まずは、Langevin方程式で熱力学的構図をしっかり捕らえなおす。 その上で…と言うならまだ話はわかる。 けど、ちょっと話がぶっ飛んでるんじゃないかと時々思う。 まぁ、研究のスタンスは人の好き好きだ。文句言うことでもないんだけど。 |
7/21 | 同期現象 |
集中講義に出る。
電大の先生の講義で、最初は工学よりの内容だった。
回路がどうとかでちょっと物理屋さんとしてはなじみにくかったが、後半の同期(特に位相方程式)の話はまさに目から鱗だった。
同期の話は、学部時代に聞いたことがあって、前々から興味はあった。
とはいえ、具体的に勉強したことも無かったし、どんな理論があるかも知らなかった。
今日初めてその理論となる位相方程式について教えていただいたわけだが、なんともきれいな理論だ。
n次元相空間でリミットサイクルになる解軌道を考えて、それを等位相面で切って、その平面内でどのような挙動を示すかということだと解釈したが、同期現象に対してこういう風にアプローチしたと言う研究手腕は大したものだ。
思わず感心してしまったなぁ。
質問でもずいぶん捲くし立てることができたし、今日はなんか絶好調だったかも(?)
明日もその続きがあるから楽しみだ。
それにしても、これが学部の集中講義だなんて…。
俺が学部生のときにこれを聞いてもさっぱり理解できなかったろうな。 関本さんのSE(ゆらぎのエネルギー論)について。これは理解するのに、時間がかかりそうだ。 節々に出てくる言葉のニュアンスのようなものが、確実にまだ汲み取れていない。 一部をコピーしたものを読んでいるから、前後関係がつかめていないと言うのもあろうが、本文にある一言一句にしっかり気を配って読まなくては。 この本の難しさは、式変形よりも、言葉の意味(SEの学問範疇とでも言うべきか)を考えさせられることにあるそう思った。 まぁ何はともかく、図書館で本をもう一度借りて、それを読むことにしよう。 |
7/20 | 生体膜 |
今日の先端科学トピックスの話はなかなか面白かった。
膜の生成や分裂、また、環境によってへリックスがねじれたり。
メカニズムのどうこうはさておき、へリックスが自分の目の前でありありとねじれていったり、膜が内部で作られやがて分裂していく様子を見ていると、ちょっとした感動がある。
なんとも不思議だなぁ。
一応の説明はなされていた気はするが、まだまだわからないことが多い。
今後の進展が楽しみな分野だなぁ。
まだ、個人として関わりあっていこうという気はさほどないけど・・・。 GLE(Generalized Langevine Equotion)の論文を読んでみるが、見事に敗北。 これは、なかなか厳しいぞ。 記述が結構数学的で、ちょっとてこずりそうだ。 それと、坂田先生に「熱力学は古い」と言われたのに反抗すべく、関本さんのSE(Stochastic Enegetics)を読んでみた。 Langevin方程式から熱力学的構造を見ていこうとする考え方は実に見事だ。 読んでみると、「ははぁ、なるほど中川先生が勧めるわけだ」という気がした。 まずは、この4,5章を読んで、少し地盤を固めなくては。 この本は熟読するに値する。 |
7/19 | しゃべり場 |
物性しゃべり場運営方針について、少し考え直した。現状況で、発表したのは12人中3人。発表回数は俺2(+1)回,他の2人が1回づつ。なんとも微妙な状況だ。前期を終える段階でこの発表の少なさは問題だ。他専攻の人を集めるなり、もう少し発表を促すなりしないといかんよなぁ、これは。まわりの人の自主性によるんだけど、ちょっとこれは予想外だ。 まぁ、そんなことはさておき、今日の素粒子のD論の公聴会はきつかったなぁ。予想以上にわからなかった。分野が違うし、ドクターともなるとこれだけ差があるんだなぁ。その公聴会を聞きながら、頭では自分の研究のことを考える。人の話を聞きながら、自分の研究のことを考えていると、なんかはかどる気がする。今日もいろいろとやるべきことが見えてきた気がした。とりあえず自分が勉強すべきことを押さえなおせたような気がした。 それと、今日の坂田先生の授業。先週言っていたことだが、今日はLangevin系のことをやっていただけた。いろいろと参考にはなったが、やはり煮え切らないところがある。そこを詰めたいと思って考えると、自分の不十分な点が思い当たる。そこをしっかり自分で考えてからでないと、坂田先生に藪からぼうに質問することになるし、何より自分で考えたいというのがある。ただ、先週から坂田先生の考えについて疑問に思っていた点を今日突き詰めることができた。そういった点では、今日は良かったかな。自分のスタンスをどこにおくかというだけな気もするが。坂田先生から論文を渡された。曰く、この論文紹介をすれば来期の成績が+αになるとかどうとか。まぁそんなことよりは、この論文を坂田先生が面白いと思っているのは確かで、実際に面白そうだから読んでみてもいいかなぁとは思う。けど、昨日中川先生から頂戴した論文(の束)もなかなか荷が重そうだ。論文読みとその周辺の勉強はさっさと済ませたいなぁ。 そんなこんだで、もう今日は寝よう。明日は、先端に出て、論文をひた読みするか。 |
7/18 | なにもなし |
今日の中川先生のお話は非常に有意義で、書きたかったが、いかんせん眠い。もうだめだー。 |
7/17 | 考え事 |
なんかいいアイデアが思い浮かんだようで、そうでもない。進展があったようで、そうでもない。なんかものを考えているようで、考えてないのかな。う〜ん。 普通に今日は勉強してた。自分が何と無しに考えていて不思議に思うことなどを、本に当たってみたり、ちょっとした復習をしてみたり。う〜ん。 |
7/16 | 論文紹介の内容 |
テニスをして、よっしーさん宅に遊びに行って、軽く飲んで、その日のうちに家に帰って、太宰の短編を読む。今日はそれだけ。 今週の昼食会で中川先生が論文紹介した話が気になる。論文紹介の内容自体、実験よりの話ではあるが、これを理論的に説明するとなるとこれはなかなか大変な話だ。今自分が狙っていることと内容が近いだけに、気になる。気になるが、それより一歩先が出ない。どうすればいいか…。 |
7/15 | 読書 |
何を思ったか、読書に耽っていた。研究者としてはいい態度とはいえぬが、『国取り物語』を読みはじめてしまった以上、今すぐに読みきらないと気がすまなくなってしまった。今日はさらに『銀河鉄道の夜』も読みきり、読書三昧だった。まったく、読書というのは良いものなのか悪いものなのか時々わからなくなる。自分にとっていい素養を享受せしめるものかもしれないが、無駄な教養を植えつけられる可能性をも含んでいる。それに、無駄に時間を蝕む場合だってある。こういったものも、「自分の必要に応じて」ということになるであろうが、なかなかその調整は難しいものと思える。まぁ、しばらく小説などを読んでなかったから、その発作がおきたのだろう。これでしばらく小説欲はおさまるだろうから(?)、研究に邁進できるようになるだろう。 怠惰な一日であった。 |
7/13,14 | 発表 |
発表の直前というのに、のんきに本を読む。大半の準備は終えていたから大丈夫だろうと読んでいたが、読みが甘かった。結局ほぼ徹夜な状況で、今では頭が呆然としている。発表は、今までのものに比べそうそうまとまったものではなかった気がする。なるほど確かに現状況においては良くまとめた方かもしれない。しかし、自分のなかでまとまりきれてないようなことを、いかに良く発表したところで他者の理解を得られぬわけがない。終わってみれば可も無く不可も無くといったところであろうか。唯一自分のなかでの収穫といえば、わからないことがわんさかと出てきたことで、もう少し周辺を勉強せねばならぬ。そう思った。 |
7/12 | 先生とのお話し |
幾時間も寝ていない。さすがに眠い。 今日は坂田先生とLangevin系について話し合う機会が持てた。また変なことを吹きかけられた気がする。例の如く、「何をやってる人だ?」と切り出し、「Langevin系です」と答えると研究の話になった。正直なところ、今自分のやろうとしていること(の方針)に対して、不安なところがあったので、こういったタイミングで坂田先生とお話できたのは大きかった。日ごろから多少なりともの議論をさせていただいている中川先生とあっては、第3者的な意見が聞けないと思っていたからである。中川先生の頭の中にはたんぱく質があって、俺の頭の中には熱力学とかフラクタル性というのが頭の片隅にある。Langevin系に興味があるという点で共通点はあるのだが、そういった点で相容れないところもある。あと、生意気ながら、自分の研究感と照らし合わせてどうということもある。中川先生に不満を感じていることはないのだが、研究スタイルとか研究感とか、自分の中で形成過程にあるものは、慎重に取捨選択したい。これが俺の意見である。さて、ここで坂田先生との話し合いについて詳細に述べるのは、私の眠気に反することになるので、ポイントをしぼってまとめておきたい。まず一点。観測できてないがいろいろな性質がデータとして知られている場合、適当なモデルを立ててそれを説明するという手法について。ここは一番気に掛けていた。今後の研究のスタンスを考える上で、いかにあるべきか考えあぐねていた。量子力学なんかは、説明できない現象に対して革新的な仮定を置くことによって、成功へと導いた。ただ、大事なのは構図であろうか。現象をしっかり見据えられているかどうか。今の自分にそこまで現象を見通せているのか。昨日の中川先生との議論でも、こうこうこういう現象が頭の中にあるからこういうモデルを考えることは意味があるのでは、とうことがあった。中川先生はそこにたんぱく質を見ているから、モデルに対しての目利きができる。が、私にはそういう視点が乏しい。熱力学的なイメージを働かせてということは考えているのだが、どうも発想に乏しい。そう思っていた最中、坂田先生から「おもちゃだろう」といわれた。なるほど、そうかもしれぬ。そして次に水溶液中の化学反応という話題を持ち出して、この辺をやってみてはということをおっしゃっていた。Langevin系として化学反応を扱うというのは、私にとって極めて斬新で、その場でどうであると判断が下せなかった。現状では判断が下せぬと坂田先生に伝えると、先生は高笑いをして「じっくり考えなさい」といって、部屋に戻っていった。まったく、この坂田先生には島田先生にも通じる言葉の重みが感じられる。島田先生とタイプは違えど、こういう言葉に威厳のある先生がいてくれるとこちらも助かる。まったく坂田先生という人はわからない。ちょっとうれしかったのは、Langevin系に対し、「今の時代は、こっちに向かっている」と評していただいたことである。「こっち」の示すところはわからないが、少し自分のやってることに自信がもてた。 今日は横沢先生にもお会いした。ただ、お話しをしてきただけだが、こちらもなかなか面白い会話ができた。横沢先生は島田先生と学生時代のご学友で、今は宇宙論をやっておられる方。話の内容は、昔の学生時代のお話や島田先生の学生時代の話で、今の自分と当時の学生たちとを比較させて聞いていると相違点が見えてきて面白かった。どうやら自分はある程度年をとった人の言葉に含蓄を感じるたちのようだ。島田先生といい坂田先生といい横沢先生といいしかりだ。考えてもみれば、生来そういうたちなのかもしれない。昔からおじいちゃん子だった気もするし。とはいえ、年の齢を重ねた人によくありがちな保守的な思考はない。この辺はよく若者にありがちな野心的な思考の持ち主ではあると思うのだが。 |
7/11 | 効率 |
あー。疲れた。久しぶりにまともに日記を更新した気がする。
今週の木曜に控えている月例中川ゼミの準備に土日はてんやわんやで、なかなか研究を進めることが出来なかった気がする。
たかだか今までやってきたことを簡単にまとめよとのことだったのだが、今改めて見返してみると、なかなかどうして見え方が違ってくる。
ほんの一ヶ月二ヶ月前のことなのに、当時見えなかったことがはっきり見えてきたり、また、当時作ったプログラムのおかしな箇所を見つけたり。
もちろんその逆も然りで、忘れているというようなこともある。
そこから派生していろいろ周辺のことを探っていくと、思はぬ不勉強さや詰めの甘さを痛感させられる。
そういった意味で定期的に自分のやったことをまとめるというのは、なかなか意味のあることなのかもしれぬ。
ただ、なかなかに骨の折れる作業なのだが…。 あと、ここ数日に(最悪なことに?!)また司馬遼太郎にはまってしまった。 大学3年だったか?そのときにバイト先の先輩の勧めで読んでみたのがきっかけで、読み始めてみたらすぐにはまってしまった。 今読んでいるのは2度目になるが、『国取り物語』。何故か中途半端に3からまた読み始めてしまった。 国取り物語は1,2巻が好きなのだが、読み始めてしまっては仕方なく、今ようやく4巻にはいったところ。 しかし、面白い。 こんなてんやわんやの状況なのに、読み進めている自分もおかしいとは思うが、この面白さであっては仕方ない。 早く4巻を読みきりたくてしょうがないが、発表の準備もしなければならぬ。 この程度で忙しいというのは生ぬるいと思うが、この状況下にして、ようやく効率性ということ考えた。 6月ごろから思っていたのだが、どうも今の自分ではうだつがあがらぬ気がしていた。 坂田先生から「解きなさい」と言われる前までは、特にそんな感じがあった。 一日一日はしっかりこなしていると思っている(ここがいけない!)のだが、全体としての成果が悪い。 それは何が原因であるか。効率であろう。 一言に効率といっても、どうすれば高効率になるのかはなかなかわかりにくい。 今思うのは、一つに、やると決めたことを迷わずやる自分がいて、もう一つに、今やっていることが正しいのか判断する自分をいさせること、これが高効率だと思う。 どちらかに偏っていてもダメ。おそらくこれが理想形だろう。 まぁ、当事者というのは得てしてこういうことに気づきにくいものだから、しっかり今の自分を見据えられるように心がけねばならぬ。 さて、このほど私の友達がパレスチナから帰国したそうだ。 私には、彼の行動を十分に理解しえたかは定かではない。 が、彼がそこに赴くと気持ちを決めたとき、私にはその道が最善であるとは思えなかった。 それに、最悪の場合を考えた場合、そう易々と行かせる気もしなかった。 まだ日本でもすべき事があるのに、なぜ今彼がそこに行かねばならぬのか、俺にはわからなかった。 ただ、今思うのは、きっと彼はそこに重大な価値を感じていたのだろう。 単にこの一言で言いくくれる気はしないが、今の俺にはそう思うほかはない。 私には、未だにさきの効率の面での後者の思慮(今やっていることが正しいのか判断する自分をいさせること)が欠けているようにしか思えないのだが、きっと彼自身としては最善の道を選んだつもりなのだろう。 その意味では、彼を尊重しなければならないのかもしれない。 上から目線のような論調になってしまったが、個人としては彼の行動は評価はしているし、ある点ではいいとも思っている。 なにより、無事戻ってきたというのだから、良かったことである。 |
7/10 | ・・・ |
うぉぉぉぉぉおおおおおおおーーーーーーーーーー。 |
7/9 | ・・・ |
うわぁぁぁぁぁぁあああああーーーーーーーーーー。 |
7/8 | 研究室にて |
研究室でホームページをアップロードできる体制を組み、今日から研究室でホームページを更新することにした。おそらく今日は徹夜だろうな・・・。 今日はひたすら計算機を走らせ、その結果を漫然と眺めていた。どうもわからん。計算機の上で起こっている現象と俺の頭の中で起こっている現象とがミスマッチしてる気がしてならない。なんとかしてオチを作らないと、来週の発表がまとめられない。この土日で発表の準備をする予定だったが、発表する内容自体吟味のしようが十分にある。う〜ん、中間発表とはいえ、多少のオチを作って臨みたいんだが…(今日中にそのオチを探さなきゃならない=徹夜)。 なんだか、研究室で日記を書くってのは落ち着かないなぁ。慣れてないせいかなぁ。まぁ、いいや。さて、プログラミングの続きに取り掛かるか。手計算がしたいなぁ。 |
7/7 | 七夕 |
七夕とはいえ、テレビやなんかから入ってくるような情報が無いので、何のことかとどこ吹く風。さりとて、星は見たくなるもので、夜空を見やるが、今夜は深い霧が立ち込めている。ときどき水戸では深い霧が立ち込める。街灯がかすんで、周囲の景色を幻想的に照らし出す。なかなかいい雰囲気だ。 今日は、結構前から繰り越し繰り越しになってきていた経済物理の論文紹介。煮詰めていたとはいえ、直前に復習していなかったので、不安だったが、なかなかの出来だった。長谷川先生からもなかなか積極的な意見が聞こえたので、少し自信がついた。とはいえ、あくまで人の研究の紹介。今度は自分の研究のしっかり決めたいものだ。 そんなわけで、今日は開放感からか(?)折り紙をやった。M1のヒラが「折り紙の達人が、…」とかなんとかいっていたので、俺が「折り紙の達人ってどんなだよ?」って言ったのがことの発端。俺は折り紙の達人の意味がわからなかった。折り方を多く知ってればいいのか?っていうか、折り方さえわかれば、誰だって折れるはずだと思っていた…が、それは大きな間違いだった!(自称)折り紙名人(物性研)三人衆が寄って集っても到底太刀打ちできないような折り紙があったのだ!!何やらそれは日本の数学者が作り出したものらしく、「デビル」というものだ。何やら、そこには革新的な折り方があるらしく、そのお陰で折り紙のフィールドワークが格段に広がったらしい。最初は「何だくだらん」と思ってただ勉強をしていたのだが、取り掛かった二人の悪戦苦闘ぶりが気になってきた。デビルはおよそ170工程にもおよぶ大作だ。そこに折り紙の基本が散りばめられているらしい。あまりに気になってきたので、それよりは工程の少ない(60〜70)「ドラゴン」に挑戦してみた。…が、難しい。極めて難しい。まず折り方を説明している説明書きがわからない。特殊な記号が使われてるし、何より、説明書に書いてあるようにならない!こ一時間の格闘で出来たのはわずか20工程。それ以降はどうにもこうにも進まなくなってしまったのだ!あぁ、折り紙の達人というものは存在するのだなぁ。考えてもみれば、小さいころ折り紙なんてまともに出来た記憶が無かった。そもそも俺の折り紙レベルは初級ぐらいだったのかもしれない。それにしては、よく20まで頑張ったかな。ちなみに、折り紙名人三人衆は見事敗退。研究室には、クシャクシャになった紙が散乱していたのであった。 |
7/6 | ワイナリー |
ちょっと疲れが溜まっていたのか、ちょっと寝過ごす。すぐさま学校に向かって、ルベーグ積分などの本を嗜む。昨日の話が、未だに整理されていない気がする。こういうときは迷わず一つに決め込んでぐぁーっと進めていくのがいいのかもしれないが、、、 いいワイナリーの話をふと思い出した。部分的にしか覚えていないので、話はおぼろげ。いいワイナリーは、決められた仕事をしっかりこなす。ワイン作りは、状況状況に応じて、こうすべしという決まりごとのようなものがあるが、それを毎日遵守していれば、いいワインが出来あがる。もし、一日でもだらけてしまうと、味が落ち、いいワインが出来上がらない。という私が覚えているのはほんのこれだけのことで、たまたま今日になってこんな話を思い出した。研究者の場合はどうであろうか?一日一日の積み重ねというのは、そうであろう。しかし、決められた仕事というのはどうであろうか?確かに、物理学を通して、状況状況に応じた手法というのある。その意味ではそうかもしれない。ただ、研究者にも、その人それぞれの持って行き方というのもある。そこが面白いとこだと思う。そういう個性というか、研究の自我というのはいつ芽生えるのか?自我の芽生える前の段階は、考えうる限りで以下の3つが考えられる。一つには、現段階ではとにかく勉強するというスタンス、もう一つには、先生の研究を追っかける。そしてもう一つは、ただひたすらもがく。前の二つは、おそらくワイナリーの話に当てはまるだろうと思う。ある程度のやるべきことというのが見えているのだから。3つ目は、どうであろう?3つ目の突破口は、多分「なんでもいいから、自分の疑問に思うことをひたすら詰める」ということになるとおもう。あー、なんか、研究の自我が芽生える前の俺があーだこーだと言っても、なんかよくわかんねぇや。今日はもうこんなもんにして寝よ。 なんだかんだ言って、一応プログラミング。なんとも、普通の結果しか出てこない。他にもいろいろとアイデアがあるから、ごちゃごちゃといじくってみるか。 |
7/5 | ちょっとした議論 |
二体でのプログラミングをまとめ、中川先生と今後の展望について話し合う。正直、いきなりこんな話になるとは思っても無かったので、それなりの対応ができたかどうかはいささか不明だが、大枠は理解した。基本的には、あるポテンシャル下で、内部自由度を持った大きな塊を動かそうという話。多分中川先生の頭にはたんぱく質があるのだろう。Langevin方程式をいじくって、今まであーだこーだとやってきて、それが面白かったわけだが、自然とそういう話につながっていったので少し驚いた。議論を進めていくと、何だか自分には現象からはいささか離れた話をしているように感じられた。というか、おそらく中川先生の目にはある現象が見え隠れしていて、おそらく私にはそれがないのであろう。適当なモデルを使って思考実験していくという方針で一致したわけだが、何だか思考実験なんてのは自分にとって仰々しい。単に、今までの延長線上で、Langevin方程式というおもちゃを数値的にいじくってみようというだけの話だ。ただここで問題なのは、現象無しで適当なモデルを作って、いい成果があげられるのかという点だ。いつぞに聞いた話(某T大の講義だったと記憶している)で、"理論家なんてのは、百に一つでも当たりが出ればいいほうだ。"だから、"理論家の仕事なんてのは、いろいろなアイデアをだすことにある。"なんてのがあったが、まさにそれにあたるのかな?例えば、たんぱく質がどういう運動をしているのかなんて見えるわけがない。少なくとも、現段階でわかっていないだろう。それに対して未知なるもので片付けるのではなく、こうなんじゃないの?とかこうあるべきだ!なんて、アイデアを出すのには多少なりともの意味はあろう。ただ、俺はそこに何を見るのか。たんぱくか、生命現象か、経済か、社会か、熱力学か?はたまた純粋な理論枠組みか?地に足がついていないような気もするが、今後に何を目指すのかということはかんがえておかなければ。 |
7/4 | 月曜… |
ちょっとオツカレーションです。若干眠いです。 昨日のプログラムが未だ改良できず。う〜ん…、なんてこった。一体の奴は(実は間違っていて)、バグを発見して、なんとか満足いく結果を出したが、二体がこれではなぁ…。毎週月曜はハードなので、これにて失敬…。 |
7/3 | 意味不明 |
昨日のプログラムを二体へ改良。昨日の時点では何やら難しそうなと思っていたが、単に相互作用する項を付け加えるだけの話で、意外と簡単に済んだ。…と思ったが、外力のポテンシャルを変化させると、なんとへんてこりんな振る舞いをするではないか!うへぇ、まちがってるんじゃねぇのこれ!単振動のポテンシャルとかそれを派生した形では、てんでうまく言ってるのに…、こんな物理的系ありえねぇよ!あー、なんでだろ。さっぱり理解できん。 とりあえず、今まで出た結果を明日中川先生と議論して、で、月曜からは月例中川ゼミの準備だな〜。どうなることやら…。 |
7/2 | 飲み会の誘い |
昨日はちょっとだらけムードだったので、今日は仕切りなおし。テニスをした後に、研究室でパソコンと向き合う。適当に初期値を選んで数値計算させていると、出てくる結果によってイメージに合わないものが出てくる。それからプログラミングのバグを発見し、少しづつプログラムを改良していく。地道な作業だが、大事な作業。作ったときは完璧なプログラムだと思っていても、日を改めて見てみるといろいろ問題点が見えてくる。こういうことが往々にしてよくあるから不思議である。なんとか、ラチェット形のポテンシャルの数値解までこぎつけ、まぁノルマ達成かな。6/30の時点では、何が何だかわからなかったが、今はずいぶんとすっきり見えている。まさか、こんなにプログラミングでミスがあるとはなぁ。ただ、長い目で見れば、この程度のことはまだまだ準備段階。研究本番前だからなぁ。この程度のことは、さっさとやりきりたい。明日以降は二体三体でやろうと思っているが…、どうであろうか。解法のイメージがわいてこない。時間かかるかなぁ。それよか、早いとこHenon-Heiles系のまとめに取り掛かった方がいいかもしれんなぁ。 今日は難しい問題を吹っかけられた。話は簡単で、飲み会に行くか行かないか。俺と同期だった日大時代の友達が、就職を決めたらしく、そのお祝いである。無論、行かねばならぬ!ただ、金がない。研究もせねばならぬ。物性若手夏の学校なるものに約3万円もぼったくられるのだ。水戸から東京への交通費+飲み会のお金+お祝いに何か>一万円という構図が(情けなくも)瞬時に成り立ち、また、自分の研究の進行状況ともそれはシンクロした。俺は苦境に立たされた。人間生きていく上でまっとうしなければならないもの――義。友達が就職を決めた。お祝いである。祝福したい。当然、私にとっての義である。一方、大学院生であるという身の上、親にも迷惑を掛けている、研究せねばならぬ。こちらも私にとっても義のように感ぜられた。うううむ・・・。結局折り合いは「夏休みにまた」という形で、幕を閉じたわけだが、なんかうやむやとしたものが残る。なんか、ダメな奴だ。よくよく考えてみると、研究なんていつでもできるではないか(?)。電車に乗りながらでも、バスに乗りながらでも…。それに引き換え、皆が集まって酒を飲み交わすなんて、しかもそれは祝い事である(!)。授業サボってでも、行くべきであった…のか…?う〜ん、とはいえ、とはいえなぁ…。 ひとつだけいえるだろうことは、大人になるにつれて、(正しいかどうかわからない)務めるべきことが自分に付きまとう。社会的要請というべきか?いずれにせよ、それは社会的な人間であれば、必然であろう。ただ、問題はそれが自分の義とそれが衝突したときにある。こんな内的衝突がなく、自分の義を貫き通せるような生きかたはいいと思うが、そうそうできることでもない。また、かといって、自分の義を捨ててしまって、義を貫き通す人に対して、それを蔑んだり、軽視してしまうのは愚である。やはり、中庸という形に落ちつくのか…。う〜ん、なんだか冴えんな。今日は当たり前のことを当たり前に言って終わってしまった気がする。よくわからん。 |
6/30,7/1 | お酒、おしゃべり |
30日はLangevin方程式の数値計算。ポテンシャルをいろいろな形に変えてやってたのだが、どうもわからん。そこにでてくる結果を見ていると、なるほど物理的なイメージに合う結果が出てくるわけだが、初期値やポテンシャルのかたちによっては、規則性がなかなかつかみにくい。もう少し自分で数値計算をして、ある程度イメージがつかめるようになったら、先生に結果を見てもらうか。それとも、さっさと二体,三体問題へと早々に行くべきか。まぁ、もう少し数値計算をさせるか…。しかし、数値計算ばかりだと、理論がいささか軽視されているようで、不安になるなぁ。まぁ、何はともかく「やってみる」ことだから、しばらくはこのままでよいか。ただでさえ、遅れをとっているような、そんな気がするのだから。 研究室から帰ろうとしたとき、D1のよっしーさん宅にお邪魔することになった。坂田研のM1の方とB4の方とがよっしーさんの家に行くとの事で、ご一緒させていただこうと、簡単に言うとそんな感じ。酒は入らないで、ちょっとした話し合いといった感じか。でも、夜通しで話すとなるとなかなか面白い会話ができるもので、あーだこーだといろいろなことで話し合う。特に、今回の話し合いの焦点になったのは、宗教観についてか。お互い相容れないような…そんな感じはあったが、なんとかこっちが言いくるめることが出来た。(というか、向こうがこちらの方をおかしな信教を持ってると思ったに違いない。)「うちらの年代で、こんな会話してるなんてレベルが高いですよね」という言葉に、かるく興ざめしたが、まぁ、こちらとしてもそうつまらない会話でなかったので、まぁ良かったかな。そんなわけで、よっしーさん宅に泊り込んでしまい。翌日は、非常に間の抜けた生活を送ってしまった。テレビを久しぶりに見たら、なんともくだらない情報が錯綜してい。かつてここに来る前までは、テレビを有用な情報源だと思っていたが、今となっては単なるやかましい箱にしか思えなくなってきた。とくに、ニュースなどは愚の骨頂だ。そんなのを真面目に見るくらいなら、新聞の社説を一つでも真面目に読んだ方がはるかにましなんじゃないかなぁ。今は、そう思う。夜はヒラを交えて軽くお酒を交えての話し合い。こちらは、まぁ普通のおしゃべりだな。なんとも怠惰な一日を送ってしまったと思うが、少し非日常的な生活を味わえたかな。しばらくは慎まなければならない気はするが。 |